男木小・中学校について校長先生へインタビュー

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井村校長先生に学校について、子どもたちの様子などいろいろ気になることを聞いてみました!

目次

男木小・中学校について

Q:男木小・中学校教育の目指しているところとは?

井村校長先生

A.男木小・中学校の教育目標は「心豊かに、たくましく生きる子どもの育成」です。この学校が目指していてずっと変わっていないものです。

学校経営方針の中には、島のことを大事にして、島の未来も考えた教育をしていきましょうというサブテーマ、「ふるさとに立ち、未来を見据えた教育の実践」があります。

どの学校でも学校教育目標がありますが、島ならではの、ふるさとを大事にしながら、ふるさとの未来のことも考えてやりましょうというところが違うところかなと思っています。

Q:男木小・中学校の校風、大事にしている価値観は?

A:学校を構成している子どもたちや先生方が変わると校風はだんだん変わってはきますが、非常に自由でのびのびしている雰囲気は、赴任して来て感じているところです。

また、校訓の「自律・創造・感謝」というのが玄関のところにも張ってあるんですが、それをずっと歴史的に重んじてやってきたのではないかと思います。

少人数学級について

Q:高松側の学校と比べると、よりのびのびとしている印象を受けますか?

A:はい。人数が多い所だと、どうしても集団行動であったり、管理の面が非常に厳しい。本校は、管理についてはあまり口やかましく指導する必要を感じません。もっと本来子どもたちが教育活動でやってみたいこととか、そっちの方を大事にしています。もちろん人に迷惑かけないことなどは指導はしますけれども、管理面での指導の仕方が大きく違うと思います。

男木小・中学校の良いところ・苦手なところ

Q:井村校長が感じられている男木小・中学校の良いところと、悪い・苦手なところとは?

A:まず子どもたちのことで良いところは、素直でのびのびしている。それから人数が少ないのでお互いのことをよく知っています。なかまのことを想ったり、なかまに対して優しい面がすごくあるなと思います。上級生が下級生のお世話をするとか、それも教員が関わるより上手いなと思う事があります。

あとは、人数が少ないから、子どもが自分で「こういうことをやりたい」とか、「やっても良いですか」という風に、自分で決定できる場面がたくさんあります。

先生方の視点で言うと、少ない人数なので、既存の行事、活動も、割と自由に変えられる。修学旅行が際たる例で、コロナ渦で行こうと思っていた日を変更する際、延期や、場所の変更も柔軟に対応できるところは先生方にとっても良いのかな思います。

逆に良くないなという点は、どうしても人数が少ないので、子どもと先生との関係が近いことです。これは良いところでもあり悪いところでもあります。近くなりすぎるので、子どもからするとちょっと甘えが出たり、先生からしてもちょっとなあなあになってまあいいかとなってしまう。家族みたいになってしまうので、関係の近さって言うのは良さと悪さと両方あるのかなと思います。

あとはどうしても人数が少ないので集団からの学び、刺激が少ないことです。例えば、頑張っている子がいるから私も頑張ろうという刺激がありません。また、いろいろな考え方に触れる機会はうちの子どもたちは少ないというところがデメリットではないかなと思います。

さらに、生先方にとっては、どうしても船の時間があって勤務の時間が限られているので、他校に比べるとそうした制約があるのが少し不便かなという風には感じています。

Q:子どもや先生方がやりたい事やもっとこうしたいと言う事を発言しやすい環境と、それを受け入れやすい体制。子どもたちや先生方に与えている影響は?

A:やっぱり自由に考えたり、あまり枠に縛られずに考えられるところが少しは影響してくれてるんじゃないかなとは思っています。

例えば昨年、マイランチの日に「校長先生、校長室でみんなでマイランチしたいんですけど良いですか?」って子どもが私のところに言いにきたんです。他の学校の子どもたちだったら校長室まで来てそんなこと提案しないと思うんですけど、実際に言いにきて「なんで?」って聞いたら「校長室で食べたことないから、ぜひやってみたいんです」と言うので、「じゃあやろう」と実施しました。

また、昨年のプール開きが塩素濃度が高くてできないことがありました。これは先生方の提案ですが、「子どもたちがとてもプール開きを楽しみにしているので、芝生で水遊びをさせてくれませんか」と私に提案し、芝生の上でホースやバケツなどを使って水遊びを行いました。

Q:この学校が子どもたちにとってどんな場所・存在になってほしいと思いますか?

A:この学校だけじゃなくてどこでも私はそうなんですが、子どもたちにとっては行きたくなる学校。行って楽しかったり、自分の成長を感じたり、発見があったり、友だちと触れ合うことでよかったなと思ったりする、行きたくなる学校。

先生たちにとってはここで働きたくなる学校。保護者の方にとっては子どもを行かせたくなる学校。そういう存在になってほしいなと思っています。

Q:先生方が働きたくなるために気をつけていらっしゃることはありますか?

A:赴任してきた時一番最初に先生方に言ったんですが、どんどん提案して下さいとお願いしました。その代わり管理職は一番最初に絶対Noとは言いませんとも言いました。

あとは一人で考えないで、どんどん相談して下さいと。自分一人で考えるのはしんどいので、他の先生方に相談する。教頭先生や校長にも言ったら、教頭先生や校長の責任にもなるから、自分一人の責任じゃないよと言いました。実際働きやすくなってるかは聞いたことないので分からないですけど(笑)

Q:校長先生が個人的に好きなこの学校のところを教えて下さい。

A:まず赴任した時に、芝生の運動場の向こうに瀬戸内海と島が見える景色が綺麗でいいところだなと思いました。

もう一つは、学校に歩いてくる途中に、島の方が、私は初めて会った人たちですが、みんな「おはようございます」とか「こんにちは」とか、声をかけて挨拶してくれるんです。

それは他の学校の校区にはなかなか無いので、島の人たちがそういう風に温かく迎えてくれていると感じました。子どもたちの入学式や卒業式でも全然知らないおじいちゃんやおばあちゃんが見にきてくれます。あぁすごいところだなと、やっぱりそういう島の人たちの温かさに恵まれているところがとてもいいなと思いました。

Q:校長先生が個人的にこの学校や島でやりたいことはありますか?

A:子どもたちが楽しく、学校に行きたくなるように、私からこうしましょうって言うんじゃなくて、子ども達や先生方から出てきた提案をできる方向で一緒に進めていきたいというのが願いです。

あとは将来、本校で学んだ子どもたちが、いずれは都会とか働きに出ていくと思うんだけれど、何年かした時に「やっぱり男木よかったな」と思ってくれて、もしかしたら帰ってきて、島のために何かするような子どもたちになってほしいなと思います。そのためには「今暮らしている今の時代がよかったと」、「男木島ってよかったな」と思えることをたくさんしたいと思っています。 

先生方の勤務体制について

Q:当直の泊まりがある学校って、今の時代珍しいと思うのですが、先生方の負担や不満の声は?

A:当直は他の学校にはないので、多少は負担に感じているかもしれないですが、普段は船の時間があって5時の船で帰らないといけないので、仕事をしたいと思ってもできませんが、週一回の当直の時に溜まっている仕事や教材研究ができるので、それほど負担にはなっていないかなと思っています。

ただ、私が赴任するまでは入学式、運動会、卒業式の前日は全員が泊まっていたんですが、それは必要ないかなと思い管理職と担当が泊まればいいだろうと言うことで、変えました。

長期休業中は学校に子どもが来ないので泊まる必要はなく、当直は普段の日の日曜日の夜〜木曜日の夜までなので、1日くらいはいいのかなと私は思ってますが、先生方がどう思ってるかは分からないです(笑)

当直がない方が良いのかもしれないですが、なかったら逆に溜まった仕事をどこでするかが難しいかなと思います。教員の働き方改革とか、教員はブラックでなり手が少ないと言われていますが、本校は当直日以外は時間がきちっと決まっているので働きやすいと思います。

Q:校長先生が何か取り組みたいことはありますか?

A:男木島は小中学校が一緒にありますが、市内の小学校・中学校が別の場所にある学校と同じような仕組みが残っている場面が多くあります。例えば、同じ書類を二度作成したり。少しずつ変わってきてはいますが、できるだけこうしたことは省いていきたいと考えています。

また、島や少人数であっても、子どもたちや先生方が不利益や不都合を感じず、できるだけよい環境で教育活動ができるようにすることも取り組みたいことの一つです。昨年、インターネットの通信環境が悪く、先生方も困っていたのですが、教育委員会にもお願いして改善してもらいました。今年度には光回線も使えるようになりました。こういった形で要望し、改善していきたいと考えています。

特別支援学級について

Q:特別支援学級ではどんなケアや取り組みをされていますか?

A:他の学校とあまり違うところはないと思いますが、その子の発達に合わせて必要な、スキルアップをするような授業内容が特別に組まれています。

本校の現在の特別支援学級では、特別な時間割と、通常学級に入って一緒に勉強をする時間があります。保護者さんとも相談しながら、どのように学習や生活をしていきたいかを決めています。学校と保護者の距離も近いので、要望も聞きやすく、また今日学校であった事や、頑張った事なども随時お伝えしています。

あとはその子どもが通っている発達障害のクリニックや施設の職員に来てもらって、学校の様子を見てもらったり、向こうでの様子を聞かせてもらって保護者と担任と今後どうしていくかという会を開いています。これについては、高松の学校でも同じように対応していると思います。

Q:特別支援学級の子と通常学級の子との交流が大規模校に比べるととても多いように感じますが、どうでしょうか?

A:本校は少人数だから、発達の程度が重くても、交流は普通にあるだろうと思います。それも必要なことと思います。
やっぱりお互い関わりながら生活していく必要があるだろうと思います。

ただそれも保護者のニーズによります。この時は別にして下さいとか、これは無理だからとかは状態を見ながら相談して決めていったら良いかなと思いますが、基本的には関わることが多くなると思います。

Q:少人数でのデメリットの部分について何か対策は?

A:積極的に他の学校さんとの交流を、チャンスがあればする様にしてます。大学生が来たり、外部の方を受け入れることはNoと言わずにどんどん受け入れるようにはしています。

昨年だと附属小学校の子どもたちが30人くらい来て一緒に鬼ごっこをして遊ぶのを2回しました。それ以外には、オンラインで直島と豊島小学校と交流しています。他の学校ともオンラインで社会科の調べたことをお互い発表し合ったりしました。

今年も秋の遠足で男木に来たいというお話があるので、「ぜひ来て下さい。一緒に何か遊べたらいいな」と伝えています。子ども同士の交流をできるだけしたいなと思っています。どうしても限られた人間関係なので、発表したり知らない人に話しかけたりする場を設定するようにしています。

今年は、春の遠足でウォークラリーをして観光客にインタビューしましょうという場面を設定したら、1年生でもちゃんとインタビューしていました。知ってる関係の中だったら自分の思っていることを言えるけど、知らない人にも関わっていける場面はできるだけ多くつくろうとしています。

体育は小学生も中学生も同じ時間割になるように設定して、全員でできる様にしています。内容を考えるのはちょっと大変なんですけれど小学1年生から中学校3年生までが楽しく運動しています。あとは先生方が一緒に遊ぶ。体育も参加する。体育の先生じゃなくても参加してくれて、空いている先生方に、無理強いはしないけど可能だったら一緒に参加して下さいとお願いしています。私も参加しています。

体験入学について

Q:体験入学ではどんなことをしますか?

A:普通の1日を、この学校のその日のそのままの授業を一緒に過ごしてもらいます。昨年3日間体験入学に来た子は、普通に授業をしたんですが、1日だけ「釣り行こうぜ」って釣りに連れ出してましたね(笑)こんなこともたまにはするよって、ちょこっとお楽しみを味わってもらったって感じですね。

少人数学級の学力・進学

Q:少人数ですが、学力や進学についてはどうですか?

A:現在の在校生で(不登校の)ブランクが無い子はとても優秀です。ただ(男木に転校してくる前に)ブランクがあった子はどうしてもその期間の遅れもあるので、進学について選択肢が厳しい部分もあるかと思います。ただ本人の希望があれば、その方向に合わせてサポートをしていて、希望すれば先生の当直日の放課後でしたら補講なども可能だと思います。

進路がまだはっきり決まらないような子どもたちには、いろいろな選択肢を紹介しています。あとは交流のある学校さんで、私立高校の先生方が来て進路説明をしてくれる日があるのですが、その日にその学校との交流日を合わせて一緒に進路説明を聞いてもらうというのを計画しています。

Q:修学旅行は生徒の行きたいところを選べるんですか?

A:基本的にはそうです。ただコロナがあったので、昨年は小学校の修学旅行は一度延期し、最終的には2日間に分けて子どもが行きたい場所に日帰りで行きました。


校長先生、お忙しい中、お時間ありがとうございました!